概要
新しいコミュニティの新しい秩序をつくるために、住民間の協定さえできれば、地域内にはヘイをつくらぬという法律的な措置さえできることになっているほどだ。
また、民法でも昔から、隣地との間に垣根をつくるにしても、四ツ目垣程度のものは習慣として隣家と費用を折半してつくる権利と義務があるとしているが、まして日照を阻害するような高いヘイをつくることは隣家に迷惑をかけることになり、条例で高いヘイをつくることを禁止されている場所もある。
また、2メートル以上の高さのヘイをつくるときには、建築基準法による確認の申請が必要になってくる。
おまわりさんの話によると、防犯上はヘイがあまり高いと泥棒は逆に入りやすいということだ。
入ってしまったものは見つからないということであろう。
四ツ目垣のつくり方が記されているが、竹や潅木を添えて生け簸をつくることもある。
バラやヒイラギ、カラタチなど韓のある樹を添えると、コソ泥や野良犬などの侵入ぐらいは防げるものになるだろう。
季節風の強い地方では防風林の生け離をつくり、富山県や島根県などには、敷地をぐるりと松で囲んだ農家が少なくない。
北欧や北米の、昔、氷河の運んだ堆石(モレーン)を低く積んだ石垣が、牧場との境界がわりになっているのを見ると、竹の四ツ目垣とはまたちがった味があると思うが、よく手入れのゆきとどいた垣根というものは、洋の東西を問わず、そこに住む人を偲ばせるものだ。
歌舞伎の「曽根崎心中」のなかに、遊女のお初が恋人を迫って、真夜中に階段を降りていくシーンがある。
そのときにお初は、階段をふみはずして転がり落ち、主人の目をさまさせてしまう。
日本では、昔から階段に対してあまり考慮されておらず、あぶなっかしい階段が多いようだ。
お城の天守閣の階段も、縦型の段ばしごが多かった。
もっとも、これは、敵が攻め込んできた際に取りはずして防ごうという軍事的目的もあるのだが。
また、本居宣長は勉強中にじゃまが入らないようにと、2階の書斎に通じる段ばしごを取りはずさせたという。
このような特殊な用途はともかくとして、家の中で階段の果たす役割というと、まず、上の階と下の階をつなぐということ。
つまり安全で昇りやすい階段がよいということである。
欧米の住宅では、玄関を入ると、よく正面に立派な階段が構えている。
しかし日本の場合はいまだに、2階の面積を広くとろうとして急勾配の階段をつくりがちだ。
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